8ヶ月もブログの更新をサボってしまった。言い訳すると、卒業を控えとても忙しかったのだ。その間の頑張りの甲斐あり無事にPh.D.を取得できたのだが、この話はまた今度ゆっくり書こうと思う。
そんなわけで、6年半も住んだボストンをあと数週間で離れることになった。部屋を引き払う準備のため片付けていると、ボロボロになったボストンの地図が出てきた。懐かしさに思わず手を止め、見入ってしまった。
この地図は6年半前、僕がこの街に移り住んだ直後に買ったものだ。まだ街に不案内だったから、外出するときはいつもこの地図をポケットに入れて歩いた。使い慣れた地図は便利だから、破れてもセロハンテープでつないで使い続けていた。地図を大きく広げキョロキョロしながら街を歩く僕は、見るからに新参者だった。
しかし、やがて暮らしに慣れ、道に迷うこともなくなり、いつのまにかこの地図を持ち歩くことはなくなった。両手をポケットに突っ込んで、我が物顔で街を闊歩するようになった。真新しかった地図のあちらこちらに書き込みが入り、汚れが付き、穴が空くように、六年半の間にこの街のひとつひとつの場所に僕の様々な思い出が染み付いた。
その地図を遂に捨てる時が来た。「記念にとっておこうか」という考えも浮かんだが、そうやって何でも「記念に」とっておくから部屋がガラクタの山になるのだと思い直し、写真を撮ってから、少々の決心とともにゴミ袋に突っ込んだ。
さようなら、ボストン。去るのがとても寂しい。
2 thoughts on “ボロボロの地図/さようなら、ボストン”
小野君。
お疲れさん。私も小野君と全く同じくらいの時間をボストンで暮らしたよ。2002年8月に来て、2009年6月、23歳から30歳まで。そして小野君と同じように、最高のパートナーを見つけて去りました。未来が明るかったからあまり未練なく去れたんだと思います。
ボストンにいたころは、会社が白人ボストニアン99%みたいなところだったのもあり、なんか堅苦しくて真面目でクラッシックでインテリな街に馴染めないと思っていたけれど、今外に出てニューヨークに住んでみると自分のパーソナリティーがボストンに大きく影響されていたこと、感じます。ボストンで学校卒業して、初めて社会人として仕事を学んだ場所だったしね。良い基礎を作ってくれたと思います。小野君もMITでじっくり博士号を取って今身に付いた地盤を持って、大きく羽ばたいてくださいね。
奥様によろしく!
> 何でも「記念に」とっておくから部屋がガラクタの山になるのだと思い直し、写真を撮ってから、少々の決心とともにゴミ袋に突っ込んだ。
成長したなヾ(*´∀`)ノシ ☆+彡