Image: NASA/JPL-Caltech

間もなく火星到着!火星内部を解明する「InSight」と火星キューブサット「MarCO」

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本記事は11/19配信予定の宇宙メルマガThe Voyageに掲載される記事の予告編です。

日本時間11月27日午前4時頃、火星に新たな探査機が着陸する。さらに、2機の相乗り探査機MarCOが、キューブサット(超小型衛星)として史上初の火星フライバイを行う。

火星の内部の謎を解き明かすInSight

赤い大地に降り立つのは、InSight(インサイト)と名付けられたNASAの探査機だ。5月5日に打ち上げられてから半年強。もしInSightに人が乗っていたら、今頃、窓からは不気味なほどに赤い火星がぐんぐんと迫ってくるのが見えるだろう。

そして「恐怖の6分間」が訪れる。大気圏突入から着陸までわずか6分。一方、火星からの信号が光の速度で地球に届くまで約8分。つまり、地球の管制官が大気圏突入開始の信号を受け取るとき、火星ではもう、着陸に成功したか、失敗したかの運命は決している。この間、地球の管制官ができることは何ひとつない。自分たちが生み出た探査機を信じ、火星からの信号を固唾を飲んで聞き続けるだけである。それゆえの「恐怖の6分間」だ。


Credit: NASA/JPL-Caltech

InSightはサイズも予算もコンパクトだ。着陸機の重量は360 kg。最新の火星ローバーは約1トンなので、3分の1程度である。予算は当初は4.25億ドル(約450億円)。フランス製の観測機器の異常のためさらに約1.5億ドル増えた。大金だが、火星ローバーなど大型ミッションが数十億ドルかかるのに比べると、宇宙探査の世界では低コストである。

着陸したらいよいよ科学ミッションが始まる。InSightが火星へ行く目的は、火星の「内部」の謎を解くことだ。地球の内部には高温の溶けたマントルや核がある。火星もそうなのか、あるいは中まで冷え固まっているのか。何でできているのか。どれだけ熱いのか。現在も地殻活動はあるのか。

これらを知れば、地球を含む他の惑星がいかに形成されたのか、そしてどうして40億年前はよく似た惑星だった地球と火星が(火星は水と濃い大気を持つ温暖な惑星だった)まったく違う運命を辿ったかのヒントが得られる。時として、異国への旅が自国のことをよりよく理解するきっかけになることがある。同じように、火星を知ると地球の過去や未来についての知見も得られるのである。

では、どうやって直接目には見えない「内部」を知るのか。そのために用いられるのが、2種類の超精密な観測機器だ。

〜中略 – 全文は11/19配信予定の宇宙メルマガ The Voyage(購読無料)に掲載されます〜

MarCOの想像図。Image: NASA/JPL-Caltech

二人の小さなヒッチハイカー、MarCO

InSightの火星の旅には二人の「相乗り客」がいる。MarCO(Mars Cube One)と名付けられた超小型探査機だ。その重量はわずか13.5 kg。2機搭載され、MarCO-A, MarCO-Bと呼ばれている。

二機はInSightを打ち上げたロケットに相乗りし、火星へ向かう軌道に乗ってInSightがロケットから分離された後にMarCOも分離された。

MarCOは史上初の超小型衛星による火星ミッションである。

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2018年10月2日にMarCO-Bのカメラが捉えた火星。史上初めて超小型探査機が撮影した火星の写真となった。Image: NASA/JPL-Caltech

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