地球から40光年離れた宇宙の、水瓶座の片隅に、数年前までは名前も与えられていなかった暗い星がありました。
その星に、7つもの地球サイズの惑星が見つかりました。しかも、そのうち3つはハビタブルゾーン(惑星の表面に液体の水を湛えることのできる温度にあるゾーン)にあったのです。ひとつの恒星系で見つかった地球型惑星の数、ハビタブルな惑星の数、ともに最高記録だそうです。
さらに面白いのは、この恒星系が非常にコンパクトなこと。7つの惑星の全てが、太陽系の水星も小さい軌道を回っています。TRAPPIST-1という仮称を与えられたこの星は太陽よりもずっと小さく、暗く、赤い。ハビタブルゾーンも恒星にずっと近い位置にあるのです。
さらに、2018年に打ち上げ予定のジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡を使えば、これらの惑星の大気を通ってくる光を分光分析解析して、バイオシグネチャー(酸素など)、つまり生命の存在の間接的証拠をつかめるかもしれません。
もし、3つの惑星のそれぞれに生命が誕生していたら・・・そしてそのそれぞれが知的生命に進化していたら・・・恒星系のサイズが小さいから、行き来も太陽系よりずっと簡単でしょう。それぞれの星の知的生命は、平和に共存しているのでしょうか?それともどこかの第三惑星の愚かな住人のように、血みどろの殺し合いをしているのでしょうか・・・?いつかその「愚かな住人」の技術がもっと進歩して、40光年先のこの世界を訪れる日が来るのでしょうか?
想像力を掻き立てられる発見でした!
Image: NASA/JPL-Caltech