今回の発見の立役者である、ケプラー宇宙望遠鏡。Image credit: NASA/JPL-Caltech/Ball

昨晩のNASA重大発表の解説:1284個の系外惑星が一度に「発見」される!

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数日前にNASAが重大発表をすると予告して以来、「ついにエイリアンが見つかったか!?」などと憶測が飛び交っていました。

昨晩に明かされた「重大発表」の内容。残念ながらエイリアンではありませんでしたし、僕が予想した地球外生命体の存在の間接的証拠の発見でもありませんでした。では、いったいどんな発見だったのかというと…

一気に1284個の系外惑星が 「発見」された!

というものでした。(原文はこちら。)どうして発見がカッコつきなのかは、後ほど解説します。

系外惑星とは、太陽以外の恒星を回る惑星のこと。太陽から最も近い恒星でも4.22光年、地球から太陽までの距離の約27万倍です。この遠さゆえ、系外惑星の検出は困難を極めるのです。

これがどれほどすごい発見なのか。このグラフを見てください。年別の、発見された系外惑星の個数です。

Credits: NASA Ames/W. Stenzel; Princeton University/T. Morton

ご覧の通り、2016の棒が突き抜けています。オレンジの部分が今回の発見。今まで確認されていた系外惑星は約2000個。それが一気に3000以上に増えた、というのが今回の発表の内容です。

ただし、この「発見」には少々のからくりがあります。

もう一度、上のグラフを見てください。2014年の棒も突き抜けていますよね。なぜかというと、「ケプラー宇宙望遠鏡」という、系外惑星探査に特化した宇宙望遠鏡がザクザクと惑星を発見したからです。

Image credit: NASA/JPL-Caltech/Ball

実は、正確に言うと、ケプラー宇宙望遠鏡だけでは惑星は「発見」出来ません。ケプラーがするのは、候補を見つけるところまで。星をまばたきせずにじーっと見続けていると、惑星が恒星の手前を通る時に一時的に星の明るさが暗くなることがあります。(遮蔽、と言います。)そのような一時的な減光がケプラーによって観測されると、新惑星の「候補」になるわけです。

しかし、候補の中にはニセモノも紛れています。例えば、連星系(二つの恒星がお互いの周りを回っている系)で暗い方の星が明るい方の星の手前を通ると、惑星による遮蔽と似た減光が観測されます。

そのため、今までは、ケプラーで見つかった候補を、地上の巨大望遠鏡で観測して、本物の惑星か、ニセモノかを判断するのです。

ケプラーは現在までに7056個の候補を見つけました。その中の1000個程度が、今までにこの方法で惑星と確認されたのです。

しかし、7056個の候補の全てをひとつひとつしらみつぶしに巨大望遠鏡で観測するのは時間もコストもかかります。しかも、ケプラーで見つかった候補には暗い星も多く、巨大望遠鏡を使っても正確に判断できない場合もありました。

そこで今回の発表の主役である Timothy Mortonさんたちのグループは、巨大望遠鏡の観測に頼らずとも惑星を確認できる方法を開発しました。

具体的には、ケプラーが観測した減光のデータそのものを使います。もしこれが実際に惑星だった場合に予想される減光の時間変化とデータを比較し、これが本当に惑星である確率を求めます。

そして、これが本物の惑星である確率が99%以上ならば、それを「惑星」としてカウントしたのです。

そうして「発見」されたのが、今回の1284個、というわけです。

同時に、428のニセモノらしきものも「発見」されました。

Pythonというプログラム言語で書かれたこのソフトウェアは公開されていて、他の天文学者も自由に使えるとのこと。天文学もオープン・イノベーションの時代です。

今回の発見で特筆すべきは、そのうち9個がハビタブルゾーン(地球のような生命が生存可能な領域)にある、地球サイズの星であったことです。地球のような惑星は宇宙に非常にありふれている、という現在までの観測結果が、今回の発見でますます確かになった、と言えるでしょう。

Credits: NASA Ames/N. Batalha and W. Stenzel

ケプラーで見つかったハビタブルな惑星の数を外挿すると、銀河系には数百億個ものハビタブルな惑星があることになります。さらに宇宙には1700億もの銀河があると言われています。地球外生命やエイリアンが、そのどこにもいないと考える方が、不自然だと思いませんか?

残念ながら今回の発見は地球外生命でもエイリアンでもありませんでした。でもいつか、きっと僕が生きている間に、そんなビッグニュースがもたらされると僕は信じています!!

 

 

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