顧みられない病気 – Neglected Diseases

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今年のSTeLAフォーラムで取り上げたトピックをひとつ、紹介しようと思う。”Neglected Disease Problem”[1]、「顧みられない病気」(または「見捨てられた病気」)という問題だ。

「エイズ」や「癌」という病名を、皆さんはご存知だろうか。もちろんだろう。馬鹿にするな、という声が聞こえてきそうだ。誰もが怖れるこれらの難病を克服するため、先進国では莫大な資金が投じられ、日々新しい薬の研究開発が続けられている

それでは、「内臓リーシュマニア症(Kala-azar or Visceral Leishmaniasis)」という病名をご存知だろうか。「アフリカ睡眠病(Trypanosomiasis)」はどうだろう?「シャーガス病(Chagas disease)」は?「住血吸虫症 (Schistosomiasis)」は?恐らく、知る人は少ないのではなかろうか。そして新薬の研究開発も、エイズや癌に比べれば、活発には行われていない。

では、これらの病気の知名度が低く、薬の研究開発も活発でないのは、危険な病気ではないからだろうか。あるいは、患者が少ない稀な病気だからだろうか。そんなことは決してない。例えば先に挙げた「内臓リーシュマニア症」は、世界に約50万人の患者がおり[2]、毎年その1割、約5万人を死に至らしめる危険な病気だ[3]。「住血吸虫症」は世界に約2億人の患者がおり[4]、年間4.4万人が命を奪われている[3]。致死率こそ低いが、子供の成長を阻害し、知的障害を引き起こし、膀胱癌などを誘発するため、社会経済的な被害は非常に大きい。

なぜこれほどまでに深刻な病気が、病名すら知られず、薬の研究開発もままならず、ほったらかしにされているのだろうか。答えは、これらの病気は日本や欧米などの先進国ではほとんど発生せず、アフリカやアジアの貧しい国に患者が集中しているからだ。対岸の火事とばかりに、先進国は知らんぷりをしてきたわけだ。これらの病気が”neglected diseases”、「顧みられない病気」と呼ばれている所以である。

では、「顧みられない病気」の薬の研究開発が盛んではない理由は何だろうか。新薬の開発には十年以上にも及ぶ期間と、数十億から数百億円もの費用がかかる。これだけの費用を負担できるのは先進国の大手製薬会社しかないのだが、彼らとて、莫大な投資をして薬を開発しても、貧しい国にしか患者がいないのでは、その薬を売って収益を上げることができない。だから「顧みられない病気」の薬の研究開発に消極的になる。

ならば大手製薬会社なんかに頼らず、自力で薬を開発しようとするNPOやベンチャー、発展途上国の機関なども存在する。しかし、彼らの前に立ちはだかっているのが、分厚い「特許の壁」だ。大学や製薬会社などが薬の開発に必要となる特許を多く抱え込んでいて、それらを使うには莫大な特許使用料を払う必要があるのだ。

こんな話をテレビ局にでも持ち込めば、「拝金主義」やら「人道軽視」などといった安易な言葉でズバズバと批判してくれるだろう。しかし、問題はそう単純ではない。

いかなる会社も、投資に見合う収益をあげられなければ倒産してしまう。そして製薬会社の経営が立ち行かなくなれば、「顧みられない病気」の薬どころか、我々が日常に必要とする薬の開発も滞るだろう。収益を上げられる病気の薬に優先して投資することは止むを得ないのだ。

では、特許の方はどうだろう。特許とは、研究が持続して続けられるために必要な制度だ。研究という仕事は、新しいアイデアを産み出して給料をもらう職業である。そのアイデアの著作権が特許であり、研究者の給料の出どころが特許使用料なのだ。音楽の違法コピーがはびこっては作曲家がメシを食えないように、特許を無制限に公開しては研究者が職を失う。そして研究者がいなくては、薬の開発に必要なアイデアが産み出されなくなってしまう。(カタカナ語を使えば、イノベーションを起こすインセンティブが失われる、ということ。)

「金儲けは汚い」と言うのはたやすいが、市場原理を無視しては、長期的に問題解決に取り組むことはできないのだ。

さらに、もし収益性や特許の問題を乗り越えて薬の開発にこぎつけても、まだまだ問題はある。「顧みられない病気」の患者が多い貧しい国では、道路や病院といった社会インフラが未整備な場所が多く、必要な患者に必要な薬が届けられないのだ。医者が一人もいない村で、どうやって患者に薬を適切に処方し投与できるのか。電気がない町で、どうやって冷蔵保存が必要なワクチンを保管できるのか。

先進国の政府がお金を出して、薬の開発も貧しい国のインフラ整備も請け負えばいい、という論もある。その通り、日本や欧米の政府が「顧みられない病気」に真剣な投資をすれば、問題は解決に向かうだろう。しかし、国内で癌やエイズが大きな問題になっている時に、国民が払った税金が癌・エイズの研究ではなく、遠い国の名も知らぬ病気の研究に使われることを、国民は素直に納得するだろうか。身内に癌の患者がいる国民は、どう思うだろうか。

このように、「顧みられない病気」という問題には、製薬会社、大学、研究機関、政府、NPOなど、ありとあらゆる人や団体が関与していて、その利害関係は複雑に入り組んでいる。問題の深い深い根は地下で複雑混沌と絡まり合い、地上に見えている問題の幹を切り倒しても、すぐに根から新たな幹が生えてくる。

そして忘れてはならないのは、僕たちのような先進国に住む一般の国民もこの問題に深く関与していている、ということだ。なぜなら、我々先進国の国民がこの問題に無知でいたことこそが、「顧みられない病気」が今まで顧みられなかった根本の原因であるからだ。

近年、大手企業が競って「エコ」を売りにするのは何故か。国民の環境意識が高まったため、「エコ」によって企業イメージを上げ、長期的な収益に結びつけることができるようになったからだ。狂牛病は人間への感染リスクが非常に低いにも関わらず、政府が莫大な額の税金を注ぎ込んで全頭検査を行うのは何故か。国民の狂牛病への関心が膨らみ、政府が税金を使う必要性を国民が認めたからだ。

同じように、「顧みられない病気」が先進国世論に広く認知され、国民が大きな問題意識を持ってはじめて、大手製薬会社が「顧みられない病気」の薬を開発し、大学が特許を公開する動機が生まれる。国民の理解を得てはじめて、先進国政府も税金を使って「顧みられない病気」の対策に乗り出すことができる。

結局のところ、「顧みられない病気」を顧みなかったのは、製薬会社でも大学でも政府でもなく、我々自身なのだ。土を取り払えば根は枯れる。我々がこの問題に光を当て、声をあげれば、顧みられない病気はもはや「顧みられない」病気ではなくなるのだ。

近年、ここアメリカでは、俄かに「顧みられない病気」への関心が高まっている。そしてそれに呼応するように、明るい兆しも見え始めている。2004年、カリフォルニア大学バークレー校が、人道目的のプロジェクトに対して特許を無料で公開することを決めた。現在では全米の多くの大学がバークレー校に追随している。また、2005年以降、マイクロソフト会長のビル・ゲイツ氏の慈善基金団体であるビル&メリンダ・ゲイツ財団(Bill & Melinda Gates Foundation、B&MGF)が、途上国を対象とした生物医学研究におよそ500億円の寄付を行った。

一方、日本ではまだまだ「顧みられない病気」への関心が低いようだ。僕がブログにこの記事を書いたのも、少しでも多くの人にこの問題を知ってもらうためだ。この記事を読んだ皆さんにも是非、「顧みられない病気」のことを友人などに伝えてもらいたい。先進国の国民が広くこの問題を「知る」ことが、問題解決への第一歩なのだから。

[1]顧みられない病気、neglected diseasesは、”neglected tropical diseases”、または単に”tropical diseases (熱帯病)”とも呼ばれる。これらの病気が貧しい国に集中するのは、衛生状態が悪いからだけではなく、貧しい国が熱帯地方に多いことも原因だ。いや、あるいは熱帯病が原因で貧困が結果なのかもしれない。
[2]WHO(世界保健機関)より、http://www.searo.who.int/en/Section10/Section2163.htm
[3]WHOより、http://www.who.int/healthinfo/bod/en/index.html
[4]WHOより、http://www.who.int/schistosomiasis/en/

[統計]WHOの統計によると、2002年の原因別死者数は、癌が711万人、エイズが291万人、結核が156万人、マラリアが91万人で、「顧みられない病気」の合計が21万人である。しかし、死者数だけでは病気の被害の大きさを正しく評価できない。後遺障害や死者の年齢なども考慮に入れて病気の被害の大きさを測る、DALY (Disability adjusted life years) という指標で比べれば、癌が12100万、エイズが15284万、結核が5870万、マラリアが5864万で、「顧みられない病気」の合計が3467万である。「顧みられない病気」に分類したのは、Trypanosomiasis, Chagas disease, Schistosomiasis, Leishmaniasis, lymphatic filariasis, Onchocerciasis, Leprosy, Dengue, Japanese encephalitis, Trachoma, Ascariasis, Trichuriasis, Hookworm diseaseである。(合計している点が統計上のトリックでもある。とはいえ、これらの病気の重大性を疑う余地はなかろう。元にしたデータはhttp://www.who.int/healthinfo/bod/en/index.html。)

また、参考までに、2002-03年にかけて大きな話題となったSARSの累計死者数は775人、狂牛病との関連が疑われている変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の累計死者数は115人である。病気の認知度(public awareness)は、必ずしも被害の大きさに比例しない。

もっと知りたい人は –

「顧みられない病気」の問題に取り組んでいる団体

  • DNDi (Drugs for Neglected Diseases Initiative) – 顧みられない病気の薬の開発に取り組むNPO
  • UAEM (Universities Allied for Essential Medicines) – アメリカの大学の学生団体。アメリカの大学が特許の公開に踏み切ったのは、彼らの活動の影響もあった。
  • ビル&メリンダ・ゲイツ財団 – マイクロソフト会長であるビル・ゲイツ氏による慈善基金団体

追記

本文には書ききれなかったが、「顧みられない病気」の問題の原因は、まだまだある。

ひとつが研究と開発のギャップだ。病気の仕組みが分かっても(研究)、すぐに薬を作れる(開発)わけでは決してない。アカデミアの研究者の業績は論文によって評価されるのだが、研究は論文になるけれども開発は論文にならない。加えて、開発には莫大なお金がかかる。結果、「顧みられない病気」の多くは、研究はなされているのに、薬は開発されていない、という状態にある。

貧困地域における教育システムの未整備も、重要な原因のひとつだ。基本的な疫学の知識を小学校で教えることができれば、病気の感染を効率的に防ぐことができる。

たとえ薬や治療法が開発されても、地域の文化・風習が障害になることもある。つまり、渡来の西洋医学への信用が薄く、治療を拒否されることがあるそうだ。若干焦点がずれた例だが、ザンビアで飢饉が起きたとき、アメリカが食糧援助を申し出たのだが、遺伝子組み換え食品は受け入れられないと言って、ザンビア政府は援助を断った。また、極端な例だと、intravaginal vaccine、訳すのに若干気が引けるが、女性の膣に入れるワクチンなどは、理解を得るのに苦労をするらしい。

本文には書ききれなかった解決法も、いくつかある。そのひとつがdifferential pricingと呼ばれるもの。(そもそも「顧みられない病気」の定義と食い違う気がするが、)もし先進国にも薬の市場があれば、同じ薬を先進国には高く、途上国には安く薬を売る、という方法だ。製薬会社にとっては、先進国での収益はそのままに、途上国にも市場を開拓できるメリットがある。もちろん途上国にとっても、必要な薬を安く手に入れられるメリットがある。ただし、先進国の消費者が途上国から薬を安い値段で「逆輸入」しないように監視する必要がある。

(以上の内容は、Natureの記事に拠った。)

(9/11: 以下の、FDAによる薬の優先審査についての記述に誤りがありました。Shanさん、情報提供ありがとう。)

また、薬の開発には10年以上の時間がかかると述べたが、その原因は、薬が認可されるまでに何十ものテストをクリアしなくてはいけないからだ。そして薬をテストする機関(アメリカだとFDA、日本だと厚労省かな?)には、承認を待つ薬の長い列ができている。2008年9月より、FDAは「顧みられない病気」の薬の開発を促進するための面白い取り組みを始めた。「顧みられない病気」の薬を開発した製薬会社は、後に他の薬を申請するときに、列の順番を飛ばして優先的に審査する、というものだ(http://www.tropika.net/svc/news/20080801/Anderson20080801priorityreviewvoucher)。大型薬の場合、薬の承認が一日遅れるごとに5000万円から1億円の損失が出る。だからこの優先審査の制度は、製薬会社が「顧みられない病気」の薬を開発する大きなインセンティブ(動機)になる。

最後に、何度も繰り返すが、問題の根は複雑混沌と絡まりあっている。まず必要なのは先進国の責任感と、世論の関心、public awarenessの喚起だ。

11 thoughts on “顧みられない病気 – Neglected Diseases

  1. 待ってました、おのさんのブログ更新!!!ありがとうございます。
    STeLA Forum 2007では、おのさんはグループの人間模様を通じてフォーラムを振り返っていましたが、今回は打って変わり、政治色が強いですね :) 今回の文章には気概や希望、勇気、知、noblesse obligeが感じられます。いや?とにかくかっこいいです。師匠と呼ばせて下さい(笑)かつてJFKが “For of those to whom much is given, much is required”と言いましたが、そんな責任感がひしひしと伝わってきます。社会が機能する為には、どうしても必要な競争があります。そして、競争が生じれば必ず勝者と敗者が生じ、格差も生まれます。(ここでは、社会が敗者や格差、機会の均等性とどう向き合うかという話は別に置いときます)勝者が自己の社会的境遇・立場を客観視し、その自覚と責任を感じ取り、社会に適切な形で奉仕し、享受した利益を還元しようと努めることは大事なエリート意識だと思います。日本では社会構造のためか、エリートという言葉に対して嫌悪感があるかもしれません。一部のメディアや教育機関が不適切に有名大(卒)を煽てるため、エリートの本来の概念が歪められているかもしれません。でも、フランスやイギリスで生じたと言われるエリートの本来の概念を、僕はおのさんの文章から感じました。STeLA Forum 2009が大成功するように、僕もおのさんを見習いながらスタッフとして頑張ろうと思います!!!

    ちなみにSTeLA Forum 2008では、Team 2はforum中に習ったことを総括した上で、以下の記事を参考にしてビデオを作成しました(結果的にはnegativeなメッセージになってしまい、惨敗でしたが…笑)。
    http://www.bdafrica.com/index.php
    option=com_content&task=view&id=8968&Itemid=5821
    アフリカ政府とその他のstakeholders (主に先進国側)が上手く噛み合わなかったため、health careに関するビジネスも、tropical diseasesに関する研究も適切に機能しなかった事例です。そういった現状を踏まえた上で、「真のリーダーシップは問題意識を持った後に試される」という思いを込めてビデオを作りましたが…
    すみません、長くなりました。来年もよろしくお願いします。

  2. 最近FDAがNeglected disease向けの薬開発を促進するためにとても制度を始めました:

    http://www.tropika.net/svc/news/20080801/Anderson20080801priorityreviewvoucher

    Neglected disease向けの薬を開発すれば、その引き換えにその会社のほかの領域の薬を申請するときにスピード審査してくれる、というもの。

    大型薬の場合、薬の承認が一日遅れるごとに5000万円から1億円の損失が出ると言われているので、ものすごいIncentiveのはずです。

    これは行政側ができるインセンティブ付けとしてはかなり画期的ではないかと。

    それにしても、Stelaフォーラム、参加したかった!

  3. hiro*2> 「師匠」なんて、30年くらい早いです。一緒にがんばろう。
    “For of those to whom much is given, much is required”、いい言葉だね。肝に銘じます。hiro*2の言うとおり、何故か日本には「エリート」という言葉にネガティブな意味があり、人は「エリート」と呼ばれることを避けようとする。「一応、東大です」と言うのと同じ理由なのかな。エリートであることの誇りと責任感を持つべきだよね。これは半分、自分に向けた発言。

    shan> コメントありがと。このFDAのイニシアチブの話、人から聞いて「追記」に書いたのだけれども、俺の理解が間違っていたみたい。NDの薬自体を優先的に審査するのではなく、NDの薬を開発した会社の別の薬を優先的に審査する、というシステムなんだね。結局はどちらにせよFDAのリソースをNDにより多く振り分けるシステムであることに変わりは無いのだけれども、後者の方はそれを間接的な形で行っているから、先進国のtaxpayerから見ても理不尽だとは思われにくいわけだ。素晴らしいシステムだと思う。教えてくれてありがとう。
    ところで先々週に帰国したときに会えるかなと思ったんだけど、まだインドネシアなんだね。ボストンにもまた遊びにきてくださいな。

  4. 今年も大成功ですねー。2008スタッフと参加者の皆さんの頑張りと学びと成長を祝福したいです。僕たちの世代が次の世代の世界をちょっとは良くする力を発揮するためのプラットフォームに、STeLAはきっとなっていくと信じます。来年もこの勢いで頑張って!

  5. konpeさん> ありがとうございます!おかげさまで素晴らしいフォーラムになりました。コソボももう少しですね。こんぺーさんも頑張ってください。

  6. 私も楽しみにしていました(笑)コメントにも懐かしい人々の名前が連なっているので、僭越ながらひとこと。
    今回のSTeLAのテーマは、私にはドンピシャで(Outlook ハードコピー持参)、時には周りの人よりもかなりオーバーヒート気味になってしまいました。反省。でもこうしてテーマとして取り上げられた事で、またおのさんのブログのように影響力の在りそうな場で語られた事で、少しでも認知が高まれば良いと思います。

    惨敗だったけど、投票してくれた友人は「it’s really important and intriguing perspective」って言ってくれましたよ。新しい視点って大事だと思う。 >hirox2

  7. Mari> コメントありがとう。Bystanderだらけの日本人、オーバーヒートしているくらいの人間が必要なんじゃないかな。これからもどんどんヒートアップしてください。

  8. 小野さん、覚えておられないかもしれませんが、何度かボストンでお目にかかった元BUの公衆衛生大学院生です。
    この記事を拝見してどうしてもコメントを書かずにはいられませんでした。
    生粋のサイエンティストがこのNTDsに関心を持ってくれている事が非常にうれしく、仲間を見つけたような感覚になりました。私自身は修士論文でこのテーマを取り上げ、自分なりに論文を読んで調べましたが、マイナー分野と言うこともあり、教授の関心を引くのも一苦労でした。このNTDsの中でも全てのステークホルダーが上手く絡み合って、成功したプログラムがあります。そのプログラムが元になって今のNTDsの取り組みが作られている様です。Merck社のMectizan donation program for Onchocerciasisです、もしご興味があれば。今夏の洞爺湖サミットでも国際保健分野において、NTDs対策を国際的に今後取り組んで行くとの文言が合意文書に盛り込まれていましたが、実際レベルでONOさんがおっしゃるように問題山積の様です。いきなりのコメント大変失礼致しました。

  9. 通りがかりの元BU公衆衛生院生さん>こんにちは!いきなりのコメント、大歓迎です!お会いしたのは道尚邸パーティーでしょうか・・・?恐らく僕が泥酔していたので覚えられていたのかとおもうと、お恥ずかしいです。。。申し訳ありません。。。
    Mectizanのケース、STeLAの下調べをしているときに知りました。素晴らしい取り組みだったと思います。しかもNDという言葉すらなかっただろう20年近く前にあんなプロジェクトを行っていたとなると、先見の明があったとしかいいようがありません。プライベート・セクターも捨てたものではないですよね。
    ただし、River blindnessの事例に限って言えばあれは素晴らしい取り組みだったのですが、ND全体となると、議論はあると思います。すなわち、river blindness単発で終わってしまったことに対する議論です。もしMectizanが先例となって、「NDの薬を開発したら無償で寄付しなくてはならない」というような不文律ができてしまったら、逆に製薬会社がNDの薬を開発するインセンティブを奪うことになったでしょう。NDの問題を難しくしている原因のひとつは、NDはひとつの病気ではなく、何十もの病気の総称である点です。River blindnessひとつならば企業の善意だけでなんとかなったけれども、十、二十の薬を開発し、NDを根本から解決するには、どうしても市場原理を用いたインセンティブが必要だと思います。

  10. Sun, Sept-27-14 / 04:35 pm JST / Tokyo (+0900 / UTC)

    onoさま

    突然の投稿失礼します。

    2008年に既にNTDについてウェブページを立ち上げられていたことを初めて知りました。このうち、デング熱については、2014年8月27日埼玉県で患者が報告されて以来、現在(2014年9月27日)時点で、厚生労働省から発表されているデング熱(DFだけでDHFの発症例ない)147症例です。

    こうした「顧みられない熱帯病(NTD)」が日本においても発生していることは、気候の変化(亜熱帯化)が大きいと思いますし、三鷹の上連雀でもせ<アカゴケクモ>が民家近くで見つかったようです。

    ご指摘の通り、「NTD対策の貧困」は、現状の資本主義の中では、所謂「市場の失敗」と呼ばれるものの一つの典型でしょう。

    地域(あるいは、市民社会)がイニシアティブをとって、厚生労働省や東京都福祉保健局を叱咤激励して、国民、都(県)民、市町村(特別区)民が安心して暮らせるような安全性を担保する厚生行政をしてくださるように、最下層の行政機関ででボランティアをしています。

    もし宜しければ、またパサディナ?辺りにまだお住まいでしたら、上記メールアドレスにメールを頂けませんか?色々教えて頂きたい事がありますので。

    以上、アルバートでした。

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