Monterey

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一週間ほど、カリフォルニアはモントレーへ行ってまいりました。ついこの前にベトナムに行ったくせにまた旅行かよ、と言われてしまいそうですが、 今回は(建前上は)マジメな出張です。僕の研究室がモントレー水族館付属研究所(MBARI)とコラボレートしていて、そこの無人潜水艦の自動操縦アルゴリズム云々というようなことをしてきたわけです。


(↑ 右手にある、緑の屋根の建物が研究所)

海の研究をしているんだから、当然研究所は海が綺麗な場所にあります。目の前に広がるモントレー湾は、生き物番組で年に一回は出てくるケルプの森(長さ50mにもなる海藻の群生地帯)になっていて、ラッコやらアシカやらクジラやらがうようよいます。特にラッコは東京で野良猫を見るくらいの頻度で見ることができ、昼間には研究所の裏手にある港で幸せそうに昼寝をしたり毛づくろいをしたりしています。オフィスから潮騒が聞こえ、太平洋に沈む夕日が見えるという、なんとも贅沢な環境。研究所の職員はサーファーが多く、サーフィンのメーリングリストまであるそうです。


(↑ 水に浮いて昼寝する二匹の幸せなラッコたち。研究所近くの港にて。)


(↑ モントレーのカフェ)

月火水木と働いて、金土日はカリフォルニアでのバカンスを満喫しました。モントレーは海もさることながら、町も素晴らしかった。ここはかつてカリフォルニアがメキシコ領だった頃の州都で、人口3万の風光明媚な町です。今も昔も漁業が盛んで、穏やかな気候、太陽と海、そして美しい景色を目当てに、全米から多くの観光客が集まります。一月だというのに燦々と降り注ぐ太陽の下、Tシャツ一枚で海際を散歩すれば、ハチドリが花の蜜を吸い、そこかしこからアザラシのガヒガヒと鳴く声が聞こえ、カモメの群れが糞の雨を降らせながら(2発喰らった・・・)空を舞っています。過去にシエラネバダ山脈や太平洋を越えてカリフォルニアを目指した人たちが妄信した「地上の楽園」とう謳い文句、それは強ち間違いではないと思いました。


(↑ アザラシ君:「今日は何曜日だっけか?」 カモメ氏:「知らん。」 モントレーの海岸にて。)

モントレー周辺をドライブすれば、魅力的な町や景勝地の数々を訪れることができます。ギャラリーや小洒落たレストランが並び、町全体が美術館のようなカーメル。海と交わる谷の底にある、絵葉書一枚に収まってしまうほどに小さな町、キャピトラ。17 mile driveはモントレー半島を海に沿って一回りし、州道一号は海へせり出した崖の上を走ります。また、今回は訪れる機会がなかったのですが、モントレーの隣町のサリナスは、「怒りの葡萄」で知られるスタインベックの出身地です。


(↑ ふてぶてしいペリカン。「そこのけそこのけ、俺様通る。」 サンタ・クルーズの桟橋にて。)


(↑ Big Sur. 州道1号より。)

宿泊費は研究室から下りるというのに、わざわざ一泊25ドルのユースホステルのドミトリーを選んでしまったのは、旅行好きの悲しい性でしょうか。されども一期一会こそが旅の醍醐味と信じる僕にとっては、これほど上等な場所はありません。ホステルのオーナーや宿泊客たちはとても親切で、旅の思い出をさらに膨らませてくれました。

以下は、ユースホステルのguest bookに書き残してきた文字たちです。

この場所に7泊し、今日、発ちます。さんさんと降り注ぐカリフォルニアの太陽、それを受けて輝くティールブルーの海、岩の上で昼寝するアシカの群れ。モントレーの町が素晴らしかったのは言うまでもなく、長居してしまったこのホステルも、本当に素敵な場所でした。

僕が7泊した間に、いろんな人が大きなバッグを背負ってチェックインしました。彼らはここに滞在した間、バッグの中から彼らの思い出を取り出してこの場所に残していく一方、この場所の思い出をバッグの空いたスペースいっぱいに詰め込んでチェックアウトしていきました。そう、普通のホテルならば、思い出とは宿泊客が一方的に持っていくものなのに、ここでは思い出は交換するものなのです。

僕がチェックインしたとき、先客にlanguage schoolの学生たちがいて、中国語、ロシア語、フランス語、各々が様々な言語を学んでいました。

モントレーで家を探すドイツ人の女性がいました。夫がこの町に駐留するアメリカ軍の軍人で、この町で一緒に住むそうです。

北米中を旅するデンマークの男性は、ロスから北へ向かう途中、一泊だけこの町に立ち寄りました。

サンフランシスコで勉強している日本人留学生がいました。彼女は高校の先生を辞め、自費で留学しているそうです。

今日チェックアウトする僕を見送ってくれるのは、賑やかな家族の一団です。四家族から成るその集団はシリコンバレーから来ていて、夜遅くまで大人子供混じってゲームで盛り上がっていました。

僕はボストンに住む留学生です。博士号を目指し、2年半前にこの国に来ました。僕の研究室がモントレー水族館付属研究所(MBARI)と共同プロジェクトをしていて、今回の旅の目的も実は半分は仕事です。気の長いプロジェクトなので、きっとまた、この町に来る機会があると思います。そのときは是非、この宿に戻ってきたいと思います。


(↑ Capitolaの町)

(追記) カリフォルニアは20度、ボストンはマイナス10度。おかげですっかり風邪を引いてしまいました。。。

2 thoughts on “Monterey

  1. おー、でしょ!このカフェ、海の上にやぐらを組んで建ててあるんだ。だから床の下は海。昔は魚の缶詰工場だったらしいよ。

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